【禁止令④】「完璧主義」「メンヘラ」などの原因である『能力』に関する4つの禁止令【心理学】
プロファイリングと交流分析を使った「生き辛さの解消」や「相性・人間関係のモヤモヤ解消」のサポートを行っています。
JCPA認定子育てコミュニケーション心理士。
関西の諸大学にて英語講師業、身体も心もほぐす足圧ボディケアも行っています。
・「完璧主義」「考えすぎだ」とよく言われる
・「メンヘラ」「年齢よりも幼く見える」とよく言われる
・いつも中途半端な状態で辞めてしまう
・どうせ自分は成功できない、上手くいかないと思っている
これらは人間が元々持っている性質のように見えますが、実は幼少期の「こうしないといけない」「こうしないと愛情を貰えない」という【生きる為の強い思い込み】によって抱えてしまうものなのです。
子供の頃は必要だったものでも、それを大人になっても抱え続けてしまい「生き辛さ」になってしまう、、、、これを【禁止令】と言います。
今回は、全25種類ある禁止令の中から「能力」に関する4つの禁止令とそれぞれを緩和させる為の再決断方法をご紹介します。
◆今回ご紹介する「能力」に関する禁止令4つ
①【成功を感じるな】
(出来た事よりも「出来ていない事」を注視する)
(上手く出来ていないことは全て自分の問題だと思う)
②【成し遂げるな】
(私はどうせ最後まで成し遂げられない人間だ)
(出る杭は打たれてしまう)
③【成長するな】
(愛情を失わない為にはずっと可愛い存在でいるべきだ)
(世話してくれる人が居なくなると強い不安感を覚える)
④【考えるな】
(「考えること」は困難なことだ)
(特定の事柄(お金や性など)に関して「考えてはいけない」と育った)
4)「能力」に関する禁止令4つ【今回の記事】
目次
①【成功を感じるな】
1つ目は【成功を感じるな】という禁止令です。
これは、
・全てのことを完璧にやらなくてはならない
・「まだ成功していない」と思い続けることが上手く生きる秘訣
・95点取ったとしても喜ばずに「5点も失点した」と自分を批判すべき
・常に高い目標設定を行い、上手くできないことは自分の問題だと思うべきだ
と自分で決断する(思い込む)禁止令です。
この「成功を感じるな」という禁止令を抱える原因。
それは何か成功した時に「良くやったね!」「すごいね!」と褒められる所か、間違っている場所ばかりを指摘されたり認めて貰えなかったりして、成功体験を積めなかったことが原因の一つにあります。
例えば、親から
・そんなことは誰だって出来る
・それが出来たぐらいで調子に乗るな
・ここが出来ていないぞ、お前は全然ダメだな
などのような言葉を与えられてしまった場合。
そしてそれを自分の中で重く受け取ってしまった場合。
・もっと頑張らなきゃ
・こんなんで喜んでちゃダメなんだ
・これが出来ないのは全て自分が悪い
・これぐらいの成功を喜んじゃダメだ、もっと高い目標を目指さなきゃ
と決断してしまいます。
いわゆる完璧主義的になり、何か達成しても常に「ダメな部分」にばかり目を向けて自分を批判し、常に自分に対する要求を高め続けてしまいます。
また、「今の自分では到達出来ない(到達していない)目標」を掲げ続けるにも関わらず、上手く出来ないことがあると自分の問題だと自分自身を責め続けるのです。
何故なら、”現段階で成功したこと”を喜んではいけないと思っているから。
それが当然であり、上手く生きる為に必要なことだと思っているから。
頑張り続けないと親からの愛情を貰えないと思っているからです。
【成功を感じるな】という禁止令が原因で行ってしまうことや、この禁止令から来る影響がこちら。
・何をしても達成感がない
・完璧な状態以外は価値が無いと感じる
・成功したと思うと悪いことが起きると思っている
・何をやっても無意味な感覚がある
・”成功してしまう”とその先が無いと感じる
・出来ていないこと、良くないことは自分のせいだと思う
・何かを達成してもすぐに次の目標に向けて頑張ろうとする
・「自分は頑張り続けなければならない」と思い、「自分がやりたいから」ではなく親や誰かに見せる為に無理してでも頑張り続ける
<この禁止令が確認される病理>
・強迫性障害
・強迫性パーソナリティ障害
【成功するな】を緩めるための再決断
この、何かが完了した時に褒められたり認められず、値引きされた評価ばかり受けてしまっていつまでも完璧を目指そうとしてしまう【成功するな】という禁止令。
この禁止令を緩和させる為の再決断(=自分で自分の思い込みを軽くしていく為の作業)は以下のようなものです。
・少しでも何か出来たことや成功を喜んで、楽しもうとしてみる
(何か行動を起こすたびに自分の胸に手を当てて「良くやった、偉いぞ」「頑張った頑張った」と口に出して自分を褒める)
・「以前の自分」と比べて出来たところに焦点を当てる
・「成功を楽しむこと」を死ぬ間際まで先延ばししてしまっていることに気が付く
・次々に高い目標を設定する前に今の自分を評価し褒める
(仮に結果がまだ出ていなくても、少なくともそこまで努力したことは認める)
・上手くいかない事があったとしても、その全てが自分の責任という訳ではないことを学ぶ
(使える限りの手札を使い、それでも上手く行かなかったなら仕方がない) など
高い目標を持って成長・変化し続けることはとても良いことです。
ただし「常に頑張らなきゃ」という強迫観念のようなものを持ってしまっていると苦しくなってしまいます。
自分の良い部分は良い部分として褒めて、小さな成功体験を積み重ねる感覚(積み木のように「出来たもの」を重ねたり増やす感覚)を持つ練習をすると「こうしなきゃ」という【禁止令】を緩和出来るでしょう。
②【成し遂げるな】
2つ目は【成し遂げるな】という禁止令です。
これは、
・私はどうせ最後まで出来ない
・私はどうせ失敗してしまう
・自分は元々勝てない人間でありダメな人間だ
と思い込んでしまい、努力する前に行動を決定してしまう禁止令です。
興味深いのは、この禁止令は他のものと違い親からの直接的な「成し遂げてはいけない」というメッセージを受け取った訳ではない場合が多いということ。
多くの場合「あなたは最後までやり遂げることが出来ない」「どうせ無理だろう」と批判され、その結果「自分は失敗する」「自分は上手く出来ない、勝てない」と自分で自身を定義してしまうのです。
仮に親が「この子は失敗して当然だ」と思っているとして。
それを子供が感じ取ってしまった場合、もし自分が成功したら
・大事な人からの関心を失ってしまう
・大事な人を出し抜くことになってしまう
・大事な人が期待している自分のイメージから外れてしまう
というような悪い方に向かってしまう、、、、と信じている場合があります。
また、直接的に感じていなくとも親や大人から「協調性を大事に」「出る杭は打たれる」と言われ続け、それが根本にあるからこそ「自分だけ成功してはいけない」という価値観を持ってしまっている場合もあるでしょう。
【成し遂げるな】という禁止令が原因で行ってしまうことや、この禁止令から来る影響がこちら。
・飽きっぽくて途中で投げ出すことが多い
・何事にも中途半端だという感覚を持っている
・どうせ自分は勝てない、成功者にはなれないと思い込んでいる
・いつも最後までやり遂げられない
・途中までは上手くいくが最後の詰めで上手くいかない
(無意識に成功を避けようとする場合があります。普段の勉強は出来るのに、試験になるといつもお腹が痛くなってトイレに行き低い点数を取り続けるなど)
・勝つことそれ自体に不安がある
【成し遂げるな】を緩めるための再決断
では、この【成し遂げるな】を緩めるための再決断方法を見てみましょう。
この禁止令を緩和させるための再決断方法は、
・「とりあえず最後まで終わらせること」を優先してみる
・”どうせ最後まで出来ない”と自分で決めているパターンがある・出ていることに気付く
・小さな「終わらせる経験」を重ねる
・「自分の成功」と他人の成功や失敗は無関係であり、自分は成功者になっても良いのだと決断する
・小さなことでも改めて自分が何かを成し遂げたと認識する
などが挙げられます。
何度も失敗を経験することで、別の事でも「出来っこない」と思ってしまい行動する気が無くなってしまう「学習性無力感」というものがあります。
(テストで点数が取れない→他のことをやってもどうせ上手くいかない、、、)
この禁止令もそれと同様に、行動する前から結果を自分で決めてしまっているのです。
まずは「自分は勝てる人間である」と信じ込むこと。
「勝っても良いんだ」と思い努力や練習を重ねて、少しずつでも進歩・変化・何か出来たことを自分で褒めて喜ぶことが解決の糸口になってくるでしょう。
少し前の自分よりも、昨日の自分よりも何かしら出来ることが増えていると認識すること。
素直に自己賞賛や喜ぶことが出来ない場合は「練習だ」と思って多少オーバーに喜ぶフリをしてみたり、何か行動を起こすたびに自分の胸に手を当てて「良くやった」「頑張ったね」「自分偉いぞ」と口に出してみると良いでしょう。
③【成長するな】
3つ目は【成長するな】という禁止令です。
これは、
・愛情を貰えるから子供っぽいままで居るべきだ
・世話人の生きがいを奪わない為に成長しない方が良い
・自分は何も出来ないから、お世話をしてくれる誰かが必要だ
・女性らしく居る事はいけないことだ
・セクシーである事は危険なことだ
と決断する禁止令です。
この【成長するな】という禁止令は自分自身で抱えるだけでなく、
「(未熟な)親からのメッセージ」として受け取ってしまう場合がいくつかあります。
代表的なものは以下の2種類。
1)極度に可愛がられ続けた場合(過保護)
2)「セクシーなのは品がない」「身体が女性的に成熟するのは悪いことだ」という(非)言語メッセージを受け取って育った場合
それぞれ簡単に見ていきましょう。
1)極度に可愛がられ続けた場合(過保護)
「自分は成長してはいけない(=子供っぽいまま居るべきだ)」という【成長するな】の禁止令を抱えてしまう2つの例。
1つ目の過保護気味・過剰に可愛がられて育った場合の特徴は、
・末子がこの【成長するな】という禁止令を抱えやすい
・親は家族の中で一番小さいこの子を手放したくないと願う
(可愛いままで居て欲しいと願う)
・彼ら(親)は「良い母」「良い父」である点に全ての価値を見出している
(自分が「親」であること=自己肯定感を満たされること)
・だから、もし子供が大人になってしまうと「自分たちにはもはや価値が無い」と感じてしまう
・別の形としては、”大人になりきっていない親”が「いつまでも遊び相手でいてね」というメッセージとして、この禁止令を与える場合もある
・親から子供への「成長するな」というメッセージは「私を置いていくな」を意味している場合がある
・年老いて要求がましい母親の世話をする為に、中年になっても生家を離れない女性はこのメッセージを受けている可能性がある
・こういった親からの直接的、間接的なメッセージを受け取ることで子供は「自分は一人の人間として生きるのではなく、この親の(可愛い)子供のままで居ないといけないんだ」「大人になってはいけないんだ」という禁止令を抱えてしまう
というものです。
この「過保護」気味で育てられた人は、家族にとってのピーターパンであり小さなプリンセスのように扱われて育った人です。
・「自分でやってみなさい」ではなく「私がやってあげる」
・「きっと出来るから頑張ってみなさい」ではなく「何でも好きなことをやって良い」
と言われて育ち、能力を評価されたのではなく「可愛い」から自分は愛されたと過度に思っているのです。
その結果、自分が成長したり自立していくことは「その人からの愛情を失うこと」だと思い込んでしまいます。
世話をしてくれる人、愛情を注いでくれる人からの愛情を失わない為に「可愛い子供」のように居続けようと決めたのです。
子供は親からの愛情が無いと生きていけない為、どんなに理不尽な扱いを受けても愛情を得ようとします。
だからこそ、子供の頃なら上記のような愛され方は至極当然のことでしょう。
ただ、歳を重ねて大人になってもこの禁止令を抱えていると不都合が沢山出てしまいます。
幼少期から「自分でやらない事」を続けてきた結果、例えば大人になって問題に直面した時に解決策を誰かが持って来てくれない、一人で解決しなくてはいけない等の状況で強く不安を覚えるようになります。
そしてその問題や不安を「自分で解決すること」に力を注ぐのではなく、何も行動しないまま不安に押しつぶされるか、新たな世話人を見つけるためにエネルギーを注ぐのです。
自分で考えて自分で解決する為に行動することは考えないのです。
愛情不足から所謂「メンヘラ」と呼ばれるような状態になることがありますが、この禁止令の場合も「元々貰えていた愛情が無くなり、それを補ってくれる人を探し依存的になる」という点では類似した状態であると言えるでしょう。
子供に依存しつづける高齢者の正体
また、この禁止令を抱えた人間が大人になり自分の子供が出来ると「自分の子供に依存する」ようになる場合があります。
多くの若者が抱える「何者かになりたい(他者に認識され必要とされたい)」という思いは子供を持つこと、親になることで解消することが出来ます。
逆説的に言えばアイデンティティの確立が不十分で子供に依存してしまっている場合、
・「子供を失うこと(子供が自立すること、親が必要無くなること)」
⇒「親である自分が何者でもなくなってしまうこと(自己肯定できなくなること)」
となってしまうのです。
そうして「いつまでも子供のままで居てね」「親である自分を必要としてね」という依存的なメッセージを子供に送り続けてしまうのです。
自分が高齢になっても子供を頼り続けながら、満たされないために常に不平不満を口にし続けるのです。
(子供は既に自分の生活があり、自分の人生や自分の家族に愛情を注いで生きているのに「もっと親である自分に愛情を注げ」と言っていることに気が付いていないのです)
この禁止令を抱え続けると、自分が子供の時は親からの愛情に依存し、自分が親になった時は子供からの愛情に依存し続けてしまいます。
「自分で自分を満たす」ことを練習し、他者に依存せずとも自分の人生を自分で決めて楽しみ・進んでいく、、、、アイデンティティの確立(自己同一性の確立)が出来ると、この禁止令から解放されて精神的に楽になっていくでしょう。
2)「セクシーなのは品がない」「身体が女性的に成熟するのは悪いことだ」という(非)言語メッセージを受け取って育った場合
【成長するな】の2つ目のパターンとして、この禁止令の変形した形である【セクシーであるな】があります。
これは
・女性らしく成長して行くことを受け入れること、表面に出すことは悪いことだ
・身体が女性的になって行くことは他者から嫌悪されること、危険なことだ
と思い込んでしまう禁止令です。
この禁止令を抱えてしまう原因は、例えば
・父親が娘が大人として振る舞うことを「品が無い」と嫌悪する
・女性らしさを出すことは危険なことだと教育され、怖れを抱いてしまう
などが挙げられます。
そうして自分自身で「女性らしさ」を抑え込んだり、自分の成熟した女性らしさを自分自身で否定・嫌悪してしまいます。
危険な目に遭わない為には、自分の中の「女性らしさ」を否定する事が最良の方法だと信じ込んでしまうのです。
幼少期は「活発な子」「男勝りな子」でも構いませんが、いざ大人になり「お付き合い」や「結婚」を視野に入れる年代に入ってくると、自己矛盾を抱えてしまい生き辛くなってしまう場合があるでしょう。
上記2つの【成長するな】という禁止令が原因で行ってしまうことや、この禁止令から来る影響がこちら。
・常に世話をしてくれる人、親のような役割を果たすパートナーを欲する
・幼稚な思考や行動(子供じみた癖)がある
・年齢よりも子供っぽい見た目や話し方を好む
・まるで自分が子供の立場であるかのような、大人とは思えない振る舞いをする
・「仕事」や「ルール・時間を守ること」などに対して責任感が希薄である
・規則やルールなど、自己抑制を求められる状況下では強いストレス(不安感)を覚える
<この禁止令が確認される病理>
・パニック障害
・(一部の)性障害
・拒食症(→「セクシーであるな」)
【成長するな】を緩めるための再決断
「ずっと子供っぽく居る」こと、庇護される立場であるかのように振る舞うことで世話を焼いて貰えたり愛情を貰えると、大人になっても信じ込んでしまう【成長するな】という禁止令。
これを緩和させるためには
・自分は年齢相応の大人であると認めること
・今も成長・変化していること
・独りで居る不安を喜びに変えるためには、「自分が無力であること」を望んでいる人たち(世話人)からの援助を断ると決めること
・問題に直面した時に可能な限り自分で解決しようと努力すること
・自分の人生や自分の成長に責任を持つこと
・他者からの評価や愛情に依存するのではなく、自信を持てるように自分で自分に愛情を注ぐこと
(⇒別に褒めてくれる人が居なくても「自分は頑張っている」「自分のここはとても魅力的」と思えるよう行動すること)
・自分自身で学ぶことを避けようとしないこと
・自分で解決策を見つける為に新しい事柄を学んでいくこと
を再決断することが有効です。
この禁止令を抱えてしまっている人は精神的に未成熟な状態な場合が多く、急に精神的な成長を得ることは大変かもしれません。
ただ親元を離れたり精神的に自立すること、「愛情を貰う側」ではなく「与える側」に回ること、自分の年齢にあった振る舞いを身に着ける努力をすることで少しずつ改善していくでしょう。
他者に依存することは楽かもしれませんが、それは自分の道を自分で選べないということでもあります
自分で生きる力を得れば得るほどこの禁止令から解放され、生きる事が楽になって行くでしょう。
④【考えるな】
4つ目は【考えるな】という禁止令です。
これは、
・自分は考えることが苦手(困難)だ
・だから自分で考えずに誰かに任せた方が良い
・「考える」よりも常に何かを「心配」している
・特定の事柄(お金、性、他人の秘密)などについて「考えてはいけない」と教え込まれてきたから絶対に考えない
と決断する(自分自身で思い込む)禁止令です。
この【考えるな】という禁止令。
この禁止令を抱えている人は「自分は考えても仕方がない」「どうせ自分は価値のある考えを創出出来ない」と自分の思考力を低く見積もります。
「どうせ無理だから」を免罪符に考えることを放棄してしまうのです。
また自分の思考力に疑問を持つように教えられてきた事が原因の一つでもあります。
・お前は考えることが出来ない
・お前はバカなんだから考えても仕方がない、どうせ失敗する
・あなたの代わりに私が考えてあげる
・常に何かを心配しないと生きていけない(考えることの代わりに心配しなさい)
などというメッセージを直接的に言われて育ったり、
直接的には言われずとも親が常にその状態で生きているため、それを見て育ってしまった場合にこの禁止令を持ってしまいます。
(⇒考える間を与えずに親が先に先に答えを出してしまう等)
この【考えるな】という禁止令から来る影響がこちら。
・「どう思う?」と聞かれても「自分の考え」ではなく一般的な意見ばかりを述べてしまう
・考えを尋ねても「感情」で答える
・自分で考えることに不安を感じる
・指示がないと行動できない
・客観的にその状況を見ずに思い込みで物事を判断する
(⇒ガシャン!と音が鳴ったら「またあいつか」と決めつける、テレビを見ていて「どうせこの芸能人は不倫してるんだろ」と思い、それが事実だと思い込む(現実を歪んで認識している)など)
・考えようとすると頭が真っ白になる、頭が混乱する
・「考えること」に大きなエネルギーが必要であるという感覚がある
・特定のことを考えられない(お金、性、将来、自分がやりたいこと、勉強、仕事、細かい数字など)
【考えるな】を緩めるための再決断
自分で考えることを放棄してしまう、誰か身近な人の考えばかりに沿って動いて自分で行動を決定するのが苦手になってしまう【考えるな】という禁止令。
これを緩和させるための再決断は
・人は元来「考える能力」を持っていると知ること
・自分も例外ではなく「自分で考える能力があること」「考えて正解を導き出せること」を理解すること
・「~でしょ?」「~ですよね?」と相手に答えを任せる事を減らし、結果的に間違っていても良いから自分で意思決定・行動をする
・「私は~と考えます」と自分の考えを伝える言葉を意識的に使ってみる
などが挙げられます。
人間は誰しも考える能力を持っています。
しかし、幼少期や学生時代に「考えること」に関して何かの失敗をしてしまったり、厳しい両親に「考える機会」「失敗する経験」を奪われてしまって、
「自分には考える能力が無い」と”考える前から”決め付けて(思い込んで)しまうことでこの禁止令を抱えてしまいます。
そもそも「考えること」を放棄してしまっている事に気付き、考え方を学んで自分で考える練習をしてみることで「本当は自分は考えられるんだ」「考えて、自分の意見を持っても良いんだ」と理解して行くことが出来るでしょう。
(紙に箇条書きする、人に聴いてもらう、ブレインストーミングをする、論理的思考を学ぶ為の本を読む、失敗を経験してみる、自分で考えた結果を実際の行動に移す練習をしてみるなど)
まとめ
以上、「能力」に関する4つの禁止令と再決断方法に関するお話でした。
「生きる為にこうした方が良い」「家族の中で欠落しているこの役割を自分が埋めなければならない」などと幼少期に強く思い込み、生きる為に抱える禁止令。
誰しもが大なり小なり持っていますが、それが特に生活の障害や自分自身のストレスになっていないのであれば気にする必要はありません。
ただ、もしそれが原因となって「生き辛さ」を感じるのであれば、少しずつ自覚しながら解消して行くともっと生き易くなるでしょう。
他の禁止令はこちら
4)「能力」に関する禁止令4つ【今回の記事】
プロファイリングと交流分析を使った「生き辛さの解消」や「相性・人間関係のモヤモヤ解消」のサポートを行っています。
JCPA認定子育てコミュニケーション心理士。
関西の諸大学にて英語講師業、身体も心もほぐす足圧ボディケアも行っています。
日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。