【心理学】愛されるのが怖い、自分から先に嫌われようとしてしまう「愛され恐怖症」【愛情不足】
プロファイリングと交流分析を使った「生き辛さの解消」や「相性・人間関係のモヤモヤ解消」のサポートを行っています。
JCPA認定子育てコミュニケーション心理士。
関西の諸大学にて英語講師業、身体も心もほぐす足圧ボディケアも行っています。
突然ですが、あなたの周りにこんな人は居ませんか?
・どうせ誰も分かってくれないから別にいい、、、と先に諦めてしまう
・誰かと仲良くなれそうになると自分から距離をとってしまう
・いわゆる”ダメな男”ばかりと付き合ってしまう
・いざ誰かとお付き合いをしてもすぐに別れてしまい、長く続かない
・人に褒められたり好意を向けられても素直に受け取れない
・イケメンや美女とお話するのが怖い
などなど
“ダメ男ハンター”の腕の見せ所ね!
ダメ男ばかり捕まえるリザ
いや、、、まぁアンタがそれで良いならいいけど、、、
キャシー
、、、とまぁ冗談はさておき、こんな風に自分から愛情を手放そうとする「愛され恐怖症」。
心理学用語では「防衛機制」(厳密に言えば「ゲーム」)と言いますが、これが中々やっかいな心の動きなんですよ。
幼少期や学生時代に「愛情を貰えていない状況」が当たり前になり過ぎて、自分から進んで不幸になりに行こうとしてしまう、、、しかもそれに自分は気が付いていない。
そんな状況。
今回はそんな「愛され恐怖症」の原因と、そこから抜け出すための対処法をまとめてみました。
自分から進んで不幸になろうとしてしまう心の動きの原因
「多くの人は自分から不幸になろうとしている」と言われても
いやいやいや、そんなアホな笑
陽気なアメリカ人
って思ってしまったりしません?
人間には幼少期に
「自分はこうしなきゃダメなんだ!」
「こうしなきゃお母さんから愛情を貰えないんだ!」
と思い込み、自分自身をルールで縛り付けることがよくあります。
その自分自身を縛るルールを心理学では『禁止令』と言います。
そしてその禁止令の中に【愛着を感じるな】という強い思い込みがあるんですが、これが「愛され恐怖症」の大きな原因なのです。
例えば
・どうせ誰も自分を愛してくれない
・愛情を求めない方が楽だから別にいらない
・自分は一人で生きて行ける
と普段から強く思っているなら、その人はこの禁止令を持っている可能性がとても高いでしょう。
これの何が問題かと言うと、例えば
「自分は愛されていない」
「自分は不細工だからどうせ人から好かれない」
という強い思い込みを持っている場合、自分からその「愛されていない」という結末に無意識に進んでしまうことです。
要は「気付かない内に自分から不幸になろうとする」ということですね。
心の奥底では誰かに愛される事を願っていて捜し求めてはいるものの、いざそれが手に入りそうになると”自分から”手放そうとするのです。
愛されそうになると、「自分は愛されないと思い込んでいる結果」に辿り着く為に自分から先に嫌われる行動を取ろうとしてしまう。
あの、、突然すみません、、、
良かったらちょっとお話しませんか、、?
絶世の美女
なななななんなんだ急に!!
何の用だ!!金か?!!
自分に自信が無い男性
あんたみたいな綺麗な女性が俺に何の用だ!!
どうせ詐欺か何かだろう?!騙されないぞ!!!
自分に自信が無い男性
そしていざ「愛情を貰えない結果」になると、ほら見たことか!というように
「やっぱり本当の愛情なんて無いんだ」
「やっぱり自分は愛されないんだ!」
「男なんて皆こうなんだ!」
(→自分から”愛情をくれないダメな男”を選んでいる)
と、自分で自分の思い込みを再強化してしまう。
いや、そんなつもりは無いんです。ただお話したいなと思いまして、、、
絶世の美女
やっぱり突然こんなの失礼ですよね。すみませんでした、、、
絶世の美女
(亡くなった父にそっくりだからお話してみたかったな、、、でも急に声なんてかけちゃダメだよね、、、)
絶世の美女
ほら見ろ!!都合が悪くなりそうだとすぐに帰る!!やっぱり詐欺だったんだ、危ねー!!
自分に自信が無い男性
俺は絶対に騙されないぞ!!キレイな人とのご縁なんて俺にあるハズがないんだから!!!
自分に自信が無い男性
こんな風に、「自分の思い込んでいる(不幸な)結果」に自分から近付きに行ってしまう。
そしてそれにまた傷付き、「やっぱりな!」と思い込みを再強化する。
これが【愛着を感じるな】の禁止令の悪循環なのです。
今回は自己肯定感が低い「男性」が声を掛けられる会話でしたが、これが逆の立場ならば?
めちゃくちゃかっこいいイケメンが、女性である貴方に声を掛けてきた時。
自分に自信が無い女性ほど「イケメンは怖い」「何だか上手く丸め込まれてしまうんじゃないか、、」なんて恐怖心が出たりしませんか。
禁止令から抜け出す為の対処法
ただ、この禁止令を持っている人が悪いという訳ではありませんし、多くの人が何かしらの禁止令(生きる為の思い込み)を持っていると言われています。
【愛着を感じるな】は子供の時に両親から貰うはずの愛情が足りておらず、愛着形成(安心して十分な愛情を与えられる、承認欲求を満たされる等)が不十分な場合に起こってしまうのです。
例えば
・甘えたい時に甘えさせて貰えなかったり
(~歳でしょ、男の子だから、お姉ちゃんなんだからちゃんとしなさい等)
・悲しい・辛い・嬉しい・頑張ったなど、自分の気持ちを理解して貰えなかったり
・抱きしめて貰う、頭を撫でて貰う、手を繋いでもらうなどのスキンシップがあまり無かったり
など「無条件で与えて貰う愛情」が子供の時期に不足してしまっていると、こういった禁止令を抱えてしまうのです。
この「無条件の愛情」を十分に貰えていないと
・「あれ?何だか寂しいぞ?」
→「もっと頑張れば愛して貰える」「ちゃんとしなくちゃ」
→それでも愛情をもらえない
→自分は愛情を貰える存在じゃないんだ。愛情を貰っちゃいけないんだ
→「自分は愛されてはいけない」「愛されないのが当然」
という【愛着を感じるな】の悪循環に陥ってしまいます。
そしてこの【愛着を感じるな】悪循環から抜け出す為には、まず自分がその「愛されてはいけない」という強い思い込みを持っていることに気が付くことが大事です。
「本当は愛情が欲しいのに、ひょっとしたら無理して自分から愛情を手放してきたかも、、、?」と疑ってみることで気付きのきっかけになることがあります。
「禁止令」は生きて行く上で無意識に自分に植え付けているもの凄く強い”思い込み”なので、自分自身が気が付くと自分で解決に向かうことが出来ます。
(逆にいくら他人に言われても自覚しない限りは改善させることが難しいという側面もありますが、、)
そして「自分から愛情を手放そうとしているかも、、、?」と気が付いた後は簡単です。
自分の人生の中で「愛情を求めていく!」と先に決めてしまいましょう。
もちろん、怖いと思います。時間を掛けて練習することも必要だと思います。
今まで生きて行く上で必要だった自分のルールを自分から壊していくんですから。
抵抗が出ないはずが無いんですよね。
この「自分から不幸な結果を選ぼうとしてしまう」【愛着を感じるな】という禁止令。
心理学的な観点からより深く解説した記事にもまとめています。
愛情を受け取るには覚悟が必要
僕もこの禁止令を子供の時から持っていましたから、すんなり自分の思いを変えるのがとても怖くて難しかったんです。
だから、あなたの気持ちがよく分かります。
「甘えちゃだめ」「他人に頼っちゃだめ」「ちゃんとしなくちゃ」「大人でいなくちゃ」という強い思い込みを、禁止令を持って幼少期から大人になるまで生きてきました。
それが無いと生きていけないとも本気で思っていました。
⇒詳しくはプロフィールに書いています
でも、自分でその思い込みに気が付くことが出来れば。
素直に「自分は人からの愛情が欲しいんだな、、」と認めることが出来れば、改善に向かわせる事が出来たんです。
僕と同じようにこの禁止令を持ってる人にとっては、この他人からの「暖かい愛情」が眩し過ぎて、優しすぎて、とっても”怖い”もののように感じてしまうでしょう。
面白いことにお金だったり、何かをやってあげていたり、見返りを払っている内は素直に受け取れるんです。
でも「無償の愛情」というのはとても怖く感じてしまうんですよね。
幼少期から受け取った経験が少ないから。
でも大丈夫です。
その「無償の愛情が怖い」という事に自分で気が付けた瞬間、その人はこの禁止令の克服の扉の目の前に辿り着いています。
そこまで気が付いたら、後は一歩進むだけ。
「怖い」と思ったままで良いのです。
自分の心の剥き出しの弱さを晒すことは怖いに決まっています。
でもそこで、怖さを抱えたままで「愛情を受け取る”実験”」をしてみて下さい。
ちょっとだけ、人の優しさを受け入れてみて欲しいです。
そしてその分以上に自分が人に優しくしてみて欲しいのです。
そうやってちょっとずつ他人との暖かい交流が出来るようになれば、自分の殻や固定観念を壊していけます。
何か行動する時、人と交流する時。
「自分を不幸にする結果」に自分から向かってないか、立ち止まって考えてみて下さい。
そして、相手の気持ちばかり考えるよりも出来るだけ「自分が幸せ」だと思える選択肢を選んで欲しいのです。
大丈夫、あなたなら出来ます。
こんな、人との関わり方が分からず周りが敵にしか見えてなかった僕が出来たんですから。
まとめ
以上、「自分から不幸を選んでしまう”愛され恐怖症“」のお話でした!
・自分から愛情を手放そうとしてるんじゃないか?と疑い
・「愛情が欲しいのかも、、」と自分の素直な感情に気が付き、認める
・それをちょっとずつ素直に他人に伝えたり頼ったり、逆に自分が他人に優しくしてあげたりしながら「愛情を受け取る練習」をしてみる
これで【愛着を感じるな】の禁止令から抜け出す(もしくは緩和させる)ことが出来ます。
そして自分自身だけでなく、自分の子供や身近なパートナー、友人がこの状態になっている事に気が付けば助けてあげることも出来ます。
みんな素直な感情を素直に出せて、日々幸せだと思う人が増えればそれが最高ですよね。
どうか、試しに身近な誰かに甘えてみて下さい。
弱みを見せてみてください。
そして、怖さを持ちながらも、ちょっとずつ愛情を素直に受け取ってみてくださいね。
ではでは。
◇◆「愛され恐怖症」に関する他の記事◆◇
プロファイリングと交流分析を使った「生き辛さの解消」や「相性・人間関係のモヤモヤ解消」のサポートを行っています。
JCPA認定子育てコミュニケーション心理士。
関西の諸大学にて英語講師業、身体も心もほぐす足圧ボディケアも行っています。
日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。